月別アーカイブ: 2012年9月

常陸大宮市N邸:屋根・外壁工事。

2012.09.24 茨城:晴れのち雨。

みなさん、こんばんは。
一級建築士事務所デザインスペックの小林です。

本日は、常陸大宮市N邸の現場打合せでした。

常陸大宮市N邸。外観全景1。
屋根板金工事が完了。
外壁工事も進んでおり、外観は完成形にだいぶ近づいてきました。

常陸大宮市N邸。外観全景2。
建物正面から。
この建物の特徴である、途中で「くねっ」と持ち上がったプロポーションが、屋根の稜線ではっきりわかります。

というわけで、まずは屋根・外壁まわりから施工チェックをしていきます。

常陸大宮市N邸。軒裏1。
まずは軒裏。
杉板の仕上げが施されています。
最近はボード系の仕上げが主流ですが、やはり木の仕上げの方が、自分は好きですね。

常陸大宮市N邸。軒裏2。
前回のブログでも書きましたが、この軒裏と外壁の取り合い部分が通気口になっています。

常陸大宮市N邸。軒裏3。
近寄ってみたところ。
これが通気口です。ここから空気を取り込んで、屋根裏換気をするんですね。
地味ですが、大事なところです。

常陸大宮市N邸。ピロティ。
続いてピロティ部分。
金属サイディングの納まりや、軒天、外壁廻りの取り合いなどをチェックします。

常陸大宮市N邸。屋根1。
外壁廻りのあとは、屋根に登って板金の施工チェックです。
難しい形状なのですが、キレイに施工されています。
ちなみに、写真中央の棟部分、よーく注目してみてください。

常陸大宮市N邸。屋根2。
棟の近くに寄ってみました。
この部分、なんだかわかりますか?
これ、通気口なんです。
屋根裏換気の出口です。
そうです、先ほどの軒裏の通気口から取り入れた空気の出口はこんな感じになっているんです。
棟のデザインを損なうことなくフラットに納まっています。

外部を一通り確認し、続いて内部のチェックです。

常陸大宮市N邸。内部1。
1階内観です。下地の石膏ボードが張られていて、だいぶ空間らしくなってきました。
ちなみに、
写真中央に連続的に立つ柱の向かって右側はLDK的に使われるのですが、左側は名前のない空間です。
これは畳一畳分の幅があるのですが、この幅のまま、ずっと2階まで続いています。

常陸大宮市N邸。内部2。
屋根がくねっと折り上がっている部分の内観です。
下は玄関と階段になります。
ここは、まだどんな感じになるか、わかりにくいかも知れませんね。

常陸大宮市N邸。内部3。
2階に上がりました。
名前のない空間と、個室が二つ。
この関係性も、完成すると面白くなるんじゃないかと、期待しています。

常陸大宮市N邸。内部4。
これは個室(子供室)です。
壁の一面だけ、軒裏の杉板を使いました。

常陸大宮市N邸。内部5。
この個室には、覗き窓がひとつついていて、そこから1階の様子がうかがえます。
そこからのぞき込んだ写真がこちら。
いやー、楽しそうだなぁ。

というわけで、今回の現場確認および打合せも無事に終了。
完成は10月末頃の予定になります。

上溝の家。

2012.09.22 みなさん、こんばんは。
一級建築士事務所デザインスペックの小林です。

本日は、相模原市N邸(上溝の家)の内覧会でした。
浦和の家は息子と二人での参加でしたが、今回は家族四人で参加。
こちらは、共同設計メンバーの平山がメインで担当した物件となります。

小林がメインで担当した物件とは、またちょっと趣が異なりますので、是非ご覧ください。

こちらは、鉄の工芸家さんの家です。
紆余曲折ありまして、計画のスタートが2010年6月ごろだったので、なんと完成まで足かけ2年以上かかりました。
でも、そのおかげで、施工を進めながらブラッシュアップ出来る部分も多く、最終的には、とても趣のあるよい空間ができあがりました。

上溝の家。外観1
敷地および周辺の地形に呼応するように、いくつかの箱がリズム良く連なったような外観の住宅です。

上溝の家。1階エリア。
1階部分は全て土間のワンルームがあり、アーチ型の開口の奥に水回りがあります。引き分けの大開口で外部と繋がり、心地よい空間です。

上溝の家。1階エリア。障子しめたところ。
障子を閉めると、プライベートな空間に早変わり。

上溝の家。1階のキッチンスペース。
1階のキッチンスペース。

上溝の家。1階の様子。
水回りスペースから1階全景を見たところ。

上溝の家。2階のブリッジ部分。
このブリッジの手摺は、施主さんの手作り。

上溝の家。階段。
この階段の手摺りも、やっぱり施主さんの手作り。
こりゃ愛着わきますねぇ。

上溝の家。2階の背の高い空間。
2階は背の高い空間と背の低い空間がブリッジと吹抜で繋がっています。こちらは背の高い空間。

上溝の家。2階の背の低い空間。
こっちが背の低い空間。

上溝の家。アトリエ内部。
鉄の作家さんであるお施主さんのアトリエ。

上溝の家。息子と設計を担当した平山と。
設計を担当した平山とわが息子とで、記念撮影。

石巻市W邸:土地の本契約と修正プラン。

2012.09.12 石巻:晴れ。

みなさん、こんばんは。
一級建築士事務所デザインスペックの小林です。

Wさんと知り合ったのは、今年の5月。
先の大震災による津波で被災した借家を3年以内に出るように貸し主から言われて、新しい家を探そうとハウスメーカーの展示場に行く矢先に、たまたま知り合って、プランの提案をさせてもらうことになりました。

最初に会った時に、ご主人が言った、
「家は、普通でいいんです。とにかく安くつくりたい。」
という台詞が、今でも頭に浮かびます。

あれから5ヶ月。
プランの提案だけではなく、土地探しからローンの相談、事前審査など、すべて一緒に同行して来ました。
そして、今日は土地の本契約。
通常、設計事務所が同席することはあんまりないと思うのですが、施主さんの要望で、同席することになりました。

自分も宅建の資格を持っているので、不動産屋さんの重要事項説明や契約の締結の流れなどに、不備がないかそれとなくチェック。

無事に、ハンコを押して、契約完了しました。

さあ、あとはプランが固まれば、見積、工事契約、建築確認、と進んでいきます。

契約の後に、Wさんのご自宅に戻って、修正プランの模型を提示して、説明を行いました。
前回のプレゼンの時に出た要望を加味しての変更案。

毎回違った形になる模型を見て、息子さんも、楽しくてしょうがないといった感じ。

今回のプランも、気に入ってもらえました。
これでいよいよ実施設計に入ります!

W邸模型1
正面。

W邸模型2
見下ろし。

W邸模型3
横から。

浦和の家。

2012.09.09 埼玉、晴れ。

みなさん、こんばんは。
一級建築士事務所デザインスペックの小林です。

今日は、同じ設計仲間(というか先輩)の増田さんが手がけた住宅「浦和の家」の内覧会に行ってきました、息子と二人で。

閑静な住宅街で、これと言った目印もない場所だったので、すぐに分かるかなぁと思いつつ路地を散策。すると、

日ごろから、

「直線が嫌い」

とおっしゃっている増田さんの言葉を現すかのように、アーチ状のピロティが特徴的な外観の建物が目の前に現れました。

浦和の家、エントランス。
このアーチが、また板金の外壁に適度なやわらかさを与えていて、いきなり心地よいお出迎えって感じです。

そして中に入ると、そこはまるで明るいダンジョンのような空間。

コンパクトな建物の中に、右に行ったり左に行ったり上に登ったり下の降りたりと大忙しの動線が巡る空間になっているのですが、それが不思議と心地よい、とっても素敵な空間でした。

浦和の家、内観1。
息子も早速自分の居場所を見つけた様子。

この空間の特徴を一言で表せば、
「名前のない部屋の連なり」
といったところでしょうか。

普通、家と言うと、「玄関」「廊下」「リビング」「寝室」「トイレ」などなど、色々な名前の付いた空間に仕切られています。
ところが、この「浦和の家」は「トイレ」や「浴室」はあるものの、それ以外の場所は、これといって目立った仕切りがないのです。
でも、不思議と空気はゆるやかに分かれていて、それぞれの居場所を作り出しています。
そして、そこには「名前がない」が故に、使われ方も自由。

そこに心地よさの秘密がありました。

息子も、とっても気に入ったみたいで、家の中をずーっと走り回っていました。

浦和の家、内観2。
2階的な、リビング的な場所。

浦和の家、内観3。
楽しいトンネル収納。

浦和の家、内観4。
システムキッチンにはない暖かみが感じられるキッチンです。

自分が設計するときに大事にすることもやはり、この「名前のない空間」をつくることにあります。
というわけで、とっても共感できる、素敵な空間でした。

他にも、細かい部分で材料や器具類の使い方など、とっても勉強になりました。

浦和の家、カーテンレール。
ワイヤーをカーテンレールにしてしまったり、

浦和の家、蛍光灯。
蛍光灯をこんな風に木枠に埋め込んでしまったり、

浦和の家、階段収納。
階段収納の鍵に、昔の木製引き戸のくるくる錠を使ってみたりと、その発想の柔軟さがすばらしかったです。

他にも、
浦和の家、ラワンベニヤ仕上げ。
一般的な大工さんだったら絶対に隠してしまうような材料のジョイント面(小口と言います)を、これまた絶対に使わないようなラワンベニヤという下地材のような板で作っていながら、必要以上にキレイではなく、生活しやすいレベルのキレイさでまとまっている手摺壁なんか、脱帽です。

極めつけは、
浦和の家、ベニヤベッド。
マットレスだけ施主さんが購入してきて、その下の台は大工さん手作りというベニヤベッド。
IKEAやニトリなんかよりも格段に丈夫でしかもコストパフォーマンスに優れたベッド。
ベニヤ板で作っても、こんなに趣のある仕上がりになるんです。

あー、楽しかった。

葛飾区T邸:敷地のシュミレーション。

2012.09.05 東京:晴れ。
みなさん、こんばんは。
一級建築士事務所デザインスペックの小林です。
本日は、葛飾区T邸の打合せでした。
打合せと言っても、まだプランニングの打合せではありません。
土地購入に際して、その土地がどのような可能性を持っているかをシュミレーションする打合せでした。
具体的には、以前ブログでも書いた、「風致地区」に関する内容です。
そして、もう一つが「土地の分割」です。
今回の案件、候補となっている敷地が80坪ありまして、それを分割して片方を建設用地に、もう片方を売り地とする予定になっています。なので、建設用地ばかりではなく、売り地になる部分にもどのような建物が建てられるか、どうすれば資産価値を上げられるか、などを検討する必要があるわけです。
というわけで、まずは風致地区条例に基づき、どのような緩和条項を使えば、土地の効率的な利用ができるかを検討します。ただし、この緩和条項、土地の面積だったり形状だったり、配置だったりで色々複雑に変わってきます。そこで、どのような面積配分で分割するのがもっとも良いのかを何パタンか検討していきます。
そのなかで、もっとも可能性のある案をいくつかつくり、お施主さんに提示してきました。
敷地形状が歪なため、単純に条例のセットバックを考えると、建物を建てるのが困難に思えるような敷地で、少々不安気味だったお施主さんも、こちらの提案で、十分可能性があることを納得していただきました。
こういうケースはなかなかレアかもしれませんが、いわゆる分譲地のように、杓子定規に面積で等分割してしまうような敷地設定よりも、もっと可能性を広げることができるので、しっかり考えたいところです。
余談になりますが、水戸市H邸も、当初は150坪の敷地に二世帯住宅を建てる予定でしたが、敷地を分割して建てる方向に変更となりました。こちらはもともと所有の土地のため、残地は将来的に子世帯のために利用する予定ではありますが、やはり資産価値を考えた提案が求められます。
単に与えられた土地、決まった土地からプランを考えるのではなくて、プランを見越して土地の区画を考えるというアプローチ。
なかなか、楽しくなりそうです!
風致条例1
葛飾区の風致地区条例マニュアル。
色々細かいですが、大事なのでしっかり読み込みます。
風致条例2
同じく風致地区条例の緩和条項について。
こちらも、敷地の条件によって、様々なケースがあり複雑ですが、その分うまく利用すれば、土地の資産価値を上げることもできるわけです。