月別アーカイブ: 2012年8月

常陸大宮市N邸:通気と断熱。

2012.08.29 茨城:晴れ。
みなさん、こんばんは。
一級建築士事務所デザインスペックの小林です。
まだまだ残暑感たっぷりな毎日ですが、時折吹く風や高い空、そして秋茜の姿を見かけるようになり、秋の気配が感じられるようになってきました。
さて、本日のN邸現場の様子です。
外観
全景です。
壁や床の合板下地はほぼできあがり、電気工事や断熱工事が進行中です。
今回の現場監理のメインは、ブログタイトルにもあるように「通気と断熱」。
この二つは、設計図面では十分な性能を確保できていても、所詮は理論値です。
実際の施工内容によってその性能が大きく左右されてしまうので、図面では確認しきれない、現場の様子をきちんと確認する必要があります。
まず通気について。
前回の現場では外壁の下地として防水紙が施工されていました。この上に外壁材が施工されるわけですが、この防水紙と外壁材の間に「通気層」という隙間を作ります。
この隙間を確保するために、「胴縁」と呼ばれる厚さ15~18mm程度の木材を設置するのですが、これは外壁を留めるための下地にもなるため、一定のピッチで防水紙の上に設置されます。
というわけで、まずはこれが通気の妨げになっていないかのチェック。
外壁廻りをぐるりと見て回ります。
今回は外壁が縦張りのため、この胴縁は水平に施工されます。
ちなみに、普通の胴縁では空気を寸断してしまうので、半円形の欠き込みが施されている「通気胴縁」というものをつかっています。
通気胴縁チェック
通気胴縁のチェック。
写真ではわかりづらいですが、通気用の欠き込みがなされています。
外壁廻りの通気のチェックが終わると、次はその空気の入口と出口の確認です。
空気というのは、基本的には下から上に移動しますので、入口とは外壁の下側の「水切り」部分、出口は外壁の上端と軒との「見切り」部分になります。
この位置に施工される金物があるのですが、それらが適切に設置されているかをチェックするわけです。
通気水切りチェック
水切りのチェック。
基礎部分との重なりが適切でないと、通気穴から空気が入ってこないので、その納まりを確認していきます。
通気見切りチェック
見切りのチェック。
今回は軒裏が檜の板張りとなるので、色合わせでベージュ系の金物を使っています。
こうしてちゃんと出口を確保してあげないと、空気は流れてくれないのです。
さて。
無事に通気のチェックを終えると、続いて断熱材の施工状況の確認に入ります。
こちらも、同じ材料を使っていても、施工の仕方によって性能が大きく左右されてしまうものなので、入念に見て回ります。
隙間無く断熱材が施工されているか、施工忘れはないか、電気配線などで断熱材を貫通している部分はないか、金物と干渉して余分に切り欠いたりしていないか、など細かい部分までチェックしていきます。
2階床断熱
ピロティ天井部分の断熱材の施工状況をチェック。
木材や金物との隙間がないか入念に確認します。
2階壁断熱
続いて、壁部分の断熱材のチェック。
腰窓の下など、わずかな壁にもきちんと断熱材が入っているか確認します。
サッシ廻り断熱
そして大事なのが、こうしたサッシまわりの断熱材チェック。
今回はこのように三角の形状をした壁もあるのですが、このように丁寧に断熱材を施工してくれていると、安心です。
ちなみに、最近は様々な断熱材が出ておりますが、実は、もっとも安価なグラスウールがもっともコストパフォーマンスもよく、断熱性能も優れているというのは、みなさん、ご存じでしょうか?
ただし、他の断熱材に比べて、施工精度に大きく左右されやすいという注意点もあります。
なので、現場チェックが欠かせないんですね。
というわけで、通気、断熱とも良好な施工状況を確認できました。
その後、外壁の仕上げ材やら建具やらの打合せを終えて、本日の現場監理終了。
次回は、いよいよ屋根工事が始まります。
正面全景
正面全景。

常陸大宮市N邸:防水施工。

2012.08.20 茨城:晴れ。
みなさん、こんばんは。
一級建築士事務所デザインスペックの小林です。
雲が高くなり、秋空の気配が漂ってきましたが、まだまだ暑いですね。
さて。
今日は常陸大宮市N邸の現場打ち合わせです。
先日、上棟検査を終えて、今は、外壁下地に防水紙が施工され、サッシ枠がとりつけられています。
そこで、まずは防水施工の確認。
このあたりは、仕上げの外壁が貼られてしまうと見えなくなってしまうので、
防水紙の重なりしろや、サッシ枠周りの防水テープの施工状況を入念にチェックして回りました。
そして、内部に入って、風の流れなどをチェック。
南北の開口がうまく機能していて、風の流れを実感。
あわせて深い庇が適度に陽光を遮り、気温のコントロールもできています。
そのほか、屋根板金の色決めや、外壁の金属サイディングの色決めなどを行いました。
まだまだ下地の骨組みが見えている段階なので、空間のイメージがわきにくいかも知れませんが、次の現場打ち合わせのあたりには、床壁の下地もだいたいできていると思うので、楽しみです。
現場1
いつもの定点撮影。
防水紙、サッシ枠が施工されて、なんとなく外観がわかるようになってきました。
現場2
ぐるりとまわって、防水紙、防水テープなどの施工状況を入念にチェック。
現場3
黒っぽいテープが防水テープ。
サッシ周りの防水テープは、サッシ下側には貼らずに、水や空気の抜け道ができるように施工します。
たまーに、ぐるりと防水テープを貼っている施工現場を見たりしますが、それは間違いですよ!
現場4
2階廊下部分からの眺め。
ここ、自分で言うのもなんですが、すごく気持ちいい空間になります!

水戸市H邸:初回プレゼン。

2012.08.19 茨城:晴れ。

みなさん、こんばんは。
一級建築士事務所デザインスペックの小林です。

本日は、H邸の初回プレゼン。
と言っても、まだ土地の詳細も、予算も未確定な状態なので、とりあえず、現状の敷地にどのようなものが建つかというのを、シミュレーションがてらに考えてみました。

コンセプトは
「建築と敷地の境をどれぐらい曖昧にできるか」
という感じです。

模型。1階。
模型1階部分。

模型。2階。
模型2階部分。

模型。南面。
南面。

模型。北面。
北面。

模型。南東面。
南東面。

模型。南西面。
南西面。

模型。シンボルツリー。
シンボルツリーと曖昧な境界。

ちなみに、今回の提案後、土地の活用方法や予算などが施主さんの方でもはっきりしたようで、
土地の資料(測量図)を頂いてから、また改めてプレゼンすることになりました。

今度は、どんな案を作ろうかなぁ。

常陸大宮市N邸:上棟検査。

2012.08.09 茨城:晴れ。

みなさん、こんばんは。
一級建築士事務所デザインスペックの小林です。

本日は、常陸大宮市N邸の上棟検査についてです。

朝一で構造設計事務所のT氏に現場に来てもらって、施工業者立ち会いの元で、金物や釘のピッチ、釘の打ち込み状況などを確認しました。
今回の現場での指摘事項は、釘のめりこみおよび金物の追加指示でした。
現場は、人の手によるものなので、毎回必ず何かしらの指摘事項はあります。
大変なときは、施工のやり直しを指示することもあります。
現場の苦労を考えると、指示を出すのも辛い気分ではあるのですが、建物は気分では頑丈になりませんので、そこは心を鬼にして、厳しく対処します。
というわけで、今回のような追加指示は、とても軽微なものなので、よかったです。
ちなみに、釘のめり込みとは、構造用合板を打ち付けるN釘というものがるのですが、これが合板に半分以上めり込んでいると、構造耐力が半減してしまうため、そのめりこみ深さをチェックするのです。
これらの釘は、昔は玄翁(トンカチ)で手打ちでしたが、今は釘打ち機という空気圧を利用した工具で打つことが多いです。なので、釘頭が出っ張るよりも、めり込む方が、後で手打ちをしなくていいという理由から、大工さんも、空気圧を高めにして打つことが多いです。
ところが、こうすると釘がめり込みすぎることが多いんですね。
今回の現場も、そのような箇所がいくつか見られたので、めり込み具合の指示と、追加の釘打ちの指示をしました。
もうひとつは金物指示。
今回はHD金物(ホールダウン金物)の指摘事項でした。
この金物は、建物の引き抜き(上に持ち上がる力)に対して効力を発する金物です。
これは、図面には配置が記載されているので、まったく金物が施工されていないということは殆ど無いのですが、
柱の上下のどちらかの施工忘れというのは時折あります。
今回もそのケースでした。
なので、追加で設置するように指示。
それ以外は、施工精度も良く、安心の現場でした。
これから、サッシ、屋根、外壁と進んでいくにつれて、どんどん形が見えてきますよ。
楽しみですね!
上棟検査1
建物全景。
屋根は合板および垂木が施工され、ルーフィング(防水紙)を施した状態となっています。
屋根合板も構造的に重要な役割があるので、ルーフィングをめくって、釘などを検査しました。
上棟検査2
内観。
ちょうどリビング部分になります。
構造のチェックと同時に、日の入り方や、空間の仕上げのイメージなども確認します。
上棟検査3
内観。
今回は、深くつきでた庇がひとつの特徴でもあります。
最近は、まるで念仏のように「日当たりの良い部屋」というフレーズがありますが、無計画な採光だと、無駄に暑く無駄に寒い空間になりがちですので、このように庇でコントロールするのもプランニングの一つのポイントです。
上棟検査4
構造設計事務所のT氏。
独立前からのおつきあいなので、もうかれこれ10年近くお世話になっています。
上棟検査5
建物全景。
実は午後に水戸で別件の打合せがあったので、一旦現場を離れたのですが、夕方、再度確認のために現場に立ち寄った時に撮影しました。
職人さん達が帰ったあとの現場のチェックも兼ねて。
後片付けが行き届いていたので、とても安心しました。
綺麗な現場は施工もしっかりしているという通説は意外と当たるんです。

石巻市W邸:プレゼンとローン審査。

2012.08.02 石巻:晴れ。
みなさん、こんばんは。
一級建築士事務所デザインスペックの小林です。
昨晩遅くに石巻着。
夜はさすがに寝苦しさはなかったですが、日が昇ると、ここ東北でも日差しがジリジリ。
まったくもって暑い一日でした。
さて。
本日は、昨日ブログで書いた石巻市W邸のプレゼンでした。
プランの説明をしてから、模型をドーン!
お施主さん、とっても気に入ってくれました。
特にうれしかったのは、小6の息子さんが、毎回自分が持ってくる模型を楽しみにしていてくれて、
今回も、プレゼン模型を見て、
「この家がいい」
と言ってくれたことです。
図面よりわかりやすい模型で、
「ここが自分の部屋だよ」
とか
「この中庭に野菜植えたいね」
とか
「ブランコつけたい」
とか色々話しが弾みます。
とっても楽しい打ち合わせでした。
それともうひとつ。
今日は、お施主さんと一緒に銀行のローンセンターに行ってきました。
ほとんどの人が、家を建てるのは一生に一度ぐらいですから、当然ながら住宅ローンというのも初めて。
右も左も分からないお施主さんと一緒に、シュミレーションの相談に同行するのも、自分の仕事の一つです。
図面を描くだけが仕事じゃないんですよ〜。
デザインスペックは、土地探しからローンシュミレーションの相談まで、
ぜーんぶまとめて、相談にのっています。
というわけで、おおよその資金計画がたったので、
後日仮審査の申し込みの段取り。
そのあと、土地の契約をして、ローンの本審査をして、土地の引き渡しをして、建物の契約をして、
という流れで進んでいきます。
プレゼン、ローン相談、不動産屋相談、市役所で支援金申請など、ぜんぶ付き添って盛りだくさんな一日でしたが、本当に感謝してくださっているお施主さんの顔を見られるだけで、頑張る気持ちがみなぎります。
さて、明日もがんばります!

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石巻市W邸:修正プラン。

2012.08.01 東京:晴れ。
みなさん、こんにちは。
一級建築士事務所デザインスペックの小林です。
今晩、石巻に向かい、明日はW邸の打合せです。
昨晩おそくにしこしこ作った模型を、プレゼン前にブログで公開してしまうという行動に出てしまうのも、この暑さのせいでしょうか(笑)
さて。
この建物、ちょっと変わった形をしてますが、実はこれ
「エアコンのいらない家」
なんです。
石巻は東北といえども、夏はじりじり暑いです。
なので、普通の家ではエアコンがないと、夏場は蒸し風呂状態。
ですが、石巻と言えば、「風」。
そいう、よい風が吹くんです。
その風を利用して、考えましたよ、「NOエアコンハウス」
まあ、暑さ寒さの体感は人それぞれなので、本当にエアコンが不要かと言えば、
人それぞれではあるのですが、基本的には、自然換気と自然対流だけで、
温度湿度をコントロールできるようになっているのが、今回提案するプランです。
はてさて、Wさんの反応やいかに!
W邸1
南側全景。屋根が特徴的ですね〜。
W邸2
玄関から奥に見えるのは、中庭とリビングです。
W邸3
横から見たところ。真ん中のくぼんでいるところが、
色々な意味でポイントになっています。
詳しくは、また次の機会に。