2012.08.09 茨城:晴れ。
みなさん、こんばんは。
一級建築士事務所デザインスペックの小林です。
本日は、常陸大宮市N邸の上棟検査についてです。
朝一で構造設計事務所のT氏に現場に来てもらって、施工業者立ち会いの元で、金物や釘のピッチ、釘の打ち込み状況などを確認しました。
今回の現場での指摘事項は、釘のめりこみおよび金物の追加指示でした。
現場は、人の手によるものなので、毎回必ず何かしらの指摘事項はあります。
大変なときは、施工のやり直しを指示することもあります。
現場の苦労を考えると、指示を出すのも辛い気分ではあるのですが、建物は気分では頑丈になりませんので、そこは心を鬼にして、厳しく対処します。
というわけで、今回のような追加指示は、とても軽微なものなので、よかったです。
ちなみに、釘のめり込みとは、構造用合板を打ち付けるN釘というものがるのですが、これが合板に半分以上めり込んでいると、構造耐力が半減してしまうため、そのめりこみ深さをチェックするのです。
これらの釘は、昔は玄翁(トンカチ)で手打ちでしたが、今は釘打ち機という空気圧を利用した工具で打つことが多いです。なので、釘頭が出っ張るよりも、めり込む方が、後で手打ちをしなくていいという理由から、大工さんも、空気圧を高めにして打つことが多いです。
ところが、こうすると釘がめり込みすぎることが多いんですね。
今回の現場も、そのような箇所がいくつか見られたので、めり込み具合の指示と、追加の釘打ちの指示をしました。
もうひとつは金物指示。
今回はHD金物(ホールダウン金物)の指摘事項でした。
この金物は、建物の引き抜き(上に持ち上がる力)に対して効力を発する金物です。
これは、図面には配置が記載されているので、まったく金物が施工されていないということは殆ど無いのですが、
柱の上下のどちらかの施工忘れというのは時折あります。
今回もそのケースでした。
なので、追加で設置するように指示。
それ以外は、施工精度も良く、安心の現場でした。
これから、サッシ、屋根、外壁と進んでいくにつれて、どんどん形が見えてきますよ。
楽しみですね!
建物全景。
屋根は合板および垂木が施工され、ルーフィング(防水紙)を施した状態となっています。
屋根合板も構造的に重要な役割があるので、ルーフィングをめくって、釘などを検査しました。
内観。
ちょうどリビング部分になります。
構造のチェックと同時に、日の入り方や、空間の仕上げのイメージなども確認します。
内観。
今回は、深くつきでた庇がひとつの特徴でもあります。
最近は、まるで念仏のように「日当たりの良い部屋」というフレーズがありますが、無計画な採光だと、無駄に暑く無駄に寒い空間になりがちですので、このように庇でコントロールするのもプランニングの一つのポイントです。
構造設計事務所のT氏。
独立前からのおつきあいなので、もうかれこれ10年近くお世話になっています。
建物全景。
実は午後に水戸で別件の打合せがあったので、一旦現場を離れたのですが、夕方、再度確認のために現場に立ち寄った時に撮影しました。
職人さん達が帰ったあとの現場のチェックも兼ねて。
後片付けが行き届いていたので、とても安心しました。
綺麗な現場は施工もしっかりしているという通説は意外と当たるんです。