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LiLiBET

2015.08.24 東京:晴れ。

みなさん、こんにちは。
梁建築設計の小林です。

5月から設計監理していた池尻のカフェ「LiLiBET」が本日オープンしました。
なので、いつも後手後手になってしまうブログアップも今日は頑張ってオンタイムでアップします(笑)

まずは、工事前の様子をちらりと。

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2015.05 リノベーション前の建物正面。

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2015.05 中はこんな感じでした。

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2015.05 中はこんな感じでした。その2。

 

 

こんな感じで、ほぼスケルトン状態の物件でしたが、大きなベルギーアンティークの家具と、板壁の意匠が施されていた内装をうまく利用して、お店を作ることになりました。
1ヶ月の設計期間の後に、6月下旬から工事がスタート。
途中、もろもろの設計変更もありながら現場は進み、2ヶ月弱で、無事に完成となりました。

 

 

では、完成した店舗の様子をどうぞ。

2015.08.15
2015.08.15 Front 01
やや古びた雰囲気を醸しつつも、古典的に寄りすぎないようなフロントデザインは、アンティークのドアと、ロートアイアンでできた格子のガラス窓、そして墨モルタルの外壁で仕上がっています。
サインは真鍮でできており、モルタルに埋め込んでから洗い出すことで、控えめながら存在感のある表現を目指してみました。
ブリティッシュパンケーキやイギリス発祥のインド料理であるマサラカレーやサンドウィッチなどを楽しめる空間として、真新しいモダンデザインではなく、イギリスの旧市街に佇むような店構えのようなものをコンセプトとしてデザインしています。

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2015.08.15 Front 02
アンティークドアは1950年頃のイギリスの木製ドアです。色々迷いましたが、結果的にこのドアに決まりました。表が薄いブルーグレー、裏が白のツートンも良い感じです。
アンティークのドアノブに合わせて、蝶番は堀商店の青銅鋳物製のものを採用しました。鍵も普通のステンレスのシリンダーではアンティークのドアとのバランスがわるいので、同じく堀商店の鋳物製トライデントシリンダーを採用。

2015.08.15
2015.08.15 Hall 01
もともと天井高のあまり高くない空間のため、天井は既存の構造を現しとし、右手の壁面も既存の板壁をそのまま使っています。
ただ、板材をそのまま使うのでは、板の隙間や固定しているビスの穴があまりよろしくないので、そこに白の目地剤を詰め、そのあとペーパーでラフに荒らしてから、クリア塗装をしています。
この仕上げは色々悩んだ部分でしたが、結果的にいい感じで風化した雰囲気が作れた思います。
アクセントとして、ドライフラワーをディスプレイすることで、ちょっと派手目のベンチソファーとの対比もバランス良く納まっているかな?と思います。

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2015.08.15 Hall 02
もともとあったベルギーアンティークの家具もほぼ同じ位置に設置。鉄骨の骨組みがごつごつと露出している雰囲気を、この大型の家具のアクセントによってうまい具合に打ち消すことができました。

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2015.08.15 Hall 03
客席部分の全景。杉板とベンチソファーで若干重くなりがちな空間を、反対側の薄いグレーの壁面にディスプレイされたアンティークの鏡と小さな額縁、そしてアンティークのペンダントライト(実はこれ、ハンドメイドのブリキの漏斗をセードとして使っています。よくみるとひとつひとつ形が違います)を配することで、バランスしています。

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2015.08.15 Hall 04

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2015.08.15 Hall 05

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2015.08.15 Hall 06

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2015.08.15 Hall 07

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2015.08.15 Hall 08
レジカウンターは足場板の古材を利用しました。
レジから厨房にかけてはステンレスの厨房機器が並んでギラギラしがちなので、この古材のテイストと板壁の雰囲気とで調和をはかりました。
火気を使用する厨房内はさすがにこうはできないので裏に配置していますが、レジカウンター周りは、客席と隣接した配置でも、その厨房感を消すことができました。
大きめのシャンデリアも、天井の鉄骨の寒々しさをカバーしています。

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2015.08.15 Hall 09
レジカウンターから客席まで連続した板壁の意匠が、全体の印象をまとめているのがわかると思います。
ほんと、最初の板壁がうまいこと化けました(笑)

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2015.08.15 Hall 10

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2015.08.15 Hall 11

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2015.08.15 Hall 12

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2015.08.15 Hall 13

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2015.08.15 Hall 14

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2015.08.15 VIP ROOM 01
狭い店内ながら、メインホールの奥には個室があります。
手前の空間とはがらっとイメージを変えて、高級感のある雰囲気にしようとは思いましたが、あまりガチガチ・テカテカのデザインにしてしまうと、バランスが悪くなるので、床材には例の板壁を転用し、光沢のない床仕上とすることで、柔らかい感じを狙いました。
ちなみに、この部屋はとても天井が低いので、ベースは白一色の空間として、アクセントにうすいピンクを入れました。
なにもない白い部屋だけだと、単調になってしまうので、アンティークのテーブルとペンダントライト、ステンドグラスで、引き締めています。

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2015.08.15 VIP ROOM 02

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2015.08.15 TOILET 01
こちらはトイレの手洗いです。
イギリスアンティークの鏡台のようなものをベースに設備屋さんに加工してもらって、水栓器具を取り付けました。
すぐ後ろには便器があり、決して広い空間ではないのですが、ちょっとしたドレスルームとして使えるようにしています。

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2015.08.15 FRONT 03
夜はこんな感じになります。

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2015.08.15 FRONT 04

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2015.08.15 FRONT 05

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2015.08.15 carton
いかがでしたか?
なかなか雰囲気のある良いお店に仕上がったと思います。
ちなみに、このカルトンにも彫り込まれているお店のロゴはLiLiBETの文字からできています。
リリベットとはエリザベス女王の幼少期のニックネームです。そこから王冠のイメージとティーハウスということで紅茶のゴールデンドロップとウォータークラウンとをかけているとのこと。
いやあ、グラフィックデザイナーさん至極の逸品です!

というわけで、オープン初日の今日、お祝いがてら、さっそく食べに行ってきました。
今まで現場だったところが、当たり前ですが、ちゃんとお店になっていて、なんだかとっても嬉しかったです。
この現場を担当したスタッフ君と二人でいったのですが、彼もとっても感慨深げでした。
そして、なにより、料理がおいしい!

是非とも、みなさん、足を運んでみてください。

 

お店の詳細はこちら

 

 

【建築概要】

総合プロデュース:とぬま
グラフィックデザイン:河原井 宏
設計監理 :梁建築設計(担当:松浦)
施工   :アムハウス株式会社(担当:伊澤)

店舗面積 :56.86㎡
用途   :カフェ
主な仕上 :床/(1)コンクリートの上ウレタン塗装(2)杉板張りの上、オイルフィニッシュ
内壁/(1)既存杉板目地埋めの上、オイルフィニッシュ(2)既存ボード壁の上AEP
天井/既存現しの上AEP
什器/古材足場板張りの上、オイルフィニッシュ
建具・照明器具/アンティークドア、アンティーク照明利用
設計協力 :家具製作/キノシタ東京
照明計画/パナソニックESエンジニアリング
古材/WOODPRO
アンティーク家具/GLOBE ANTIQUES 他