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kob について

(株)梁建築設計 代表取締役。 上野を拠点として活動しています。

LiLiBET

2015.08.24 東京:晴れ。

みなさん、こんにちは。
梁建築設計の小林です。

5月から設計監理していた池尻のカフェ「LiLiBET」が本日オープンしました。
なので、いつも後手後手になってしまうブログアップも今日は頑張ってオンタイムでアップします(笑)

まずは、工事前の様子をちらりと。

2015.05
2015.05 リノベーション前の建物正面。

2015.05
2015.05 中はこんな感じでした。

2015.05
2015.05 中はこんな感じでした。その2。

 

 

こんな感じで、ほぼスケルトン状態の物件でしたが、大きなベルギーアンティークの家具と、板壁の意匠が施されていた内装をうまく利用して、お店を作ることになりました。
1ヶ月の設計期間の後に、6月下旬から工事がスタート。
途中、もろもろの設計変更もありながら現場は進み、2ヶ月弱で、無事に完成となりました。

 

 

では、完成した店舗の様子をどうぞ。

2015.08.15
2015.08.15 Front 01
やや古びた雰囲気を醸しつつも、古典的に寄りすぎないようなフロントデザインは、アンティークのドアと、ロートアイアンでできた格子のガラス窓、そして墨モルタルの外壁で仕上がっています。
サインは真鍮でできており、モルタルに埋め込んでから洗い出すことで、控えめながら存在感のある表現を目指してみました。
ブリティッシュパンケーキやイギリス発祥のインド料理であるマサラカレーやサンドウィッチなどを楽しめる空間として、真新しいモダンデザインではなく、イギリスの旧市街に佇むような店構えのようなものをコンセプトとしてデザインしています。

2015.08.15
2015.08.15 Front 02
アンティークドアは1950年頃のイギリスの木製ドアです。色々迷いましたが、結果的にこのドアに決まりました。表が薄いブルーグレー、裏が白のツートンも良い感じです。
アンティークのドアノブに合わせて、蝶番は堀商店の青銅鋳物製のものを採用しました。鍵も普通のステンレスのシリンダーではアンティークのドアとのバランスがわるいので、同じく堀商店の鋳物製トライデントシリンダーを採用。

2015.08.15
2015.08.15 Hall 01
もともと天井高のあまり高くない空間のため、天井は既存の構造を現しとし、右手の壁面も既存の板壁をそのまま使っています。
ただ、板材をそのまま使うのでは、板の隙間や固定しているビスの穴があまりよろしくないので、そこに白の目地剤を詰め、そのあとペーパーでラフに荒らしてから、クリア塗装をしています。
この仕上げは色々悩んだ部分でしたが、結果的にいい感じで風化した雰囲気が作れた思います。
アクセントとして、ドライフラワーをディスプレイすることで、ちょっと派手目のベンチソファーとの対比もバランス良く納まっているかな?と思います。

2015.08.15
2015.08.15 Hall 02
もともとあったベルギーアンティークの家具もほぼ同じ位置に設置。鉄骨の骨組みがごつごつと露出している雰囲気を、この大型の家具のアクセントによってうまい具合に打ち消すことができました。

2015.08.15
2015.08.15 Hall 03
客席部分の全景。杉板とベンチソファーで若干重くなりがちな空間を、反対側の薄いグレーの壁面にディスプレイされたアンティークの鏡と小さな額縁、そしてアンティークのペンダントライト(実はこれ、ハンドメイドのブリキの漏斗をセードとして使っています。よくみるとひとつひとつ形が違います)を配することで、バランスしています。

2015.08.15
2015.08.15 Hall 04

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2015.08.15 Hall 05

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2015.08.15 Hall 06

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2015.08.15 Hall 07

2015.08.15
2015.08.15 Hall 08
レジカウンターは足場板の古材を利用しました。
レジから厨房にかけてはステンレスの厨房機器が並んでギラギラしがちなので、この古材のテイストと板壁の雰囲気とで調和をはかりました。
火気を使用する厨房内はさすがにこうはできないので裏に配置していますが、レジカウンター周りは、客席と隣接した配置でも、その厨房感を消すことができました。
大きめのシャンデリアも、天井の鉄骨の寒々しさをカバーしています。

2015.08.15
2015.08.15 Hall 09
レジカウンターから客席まで連続した板壁の意匠が、全体の印象をまとめているのがわかると思います。
ほんと、最初の板壁がうまいこと化けました(笑)

2015.08.15
2015.08.15 Hall 10

2015.08.15
2015.08.15 Hall 11

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2015.08.15 Hall 12

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2015.08.15 Hall 13

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2015.08.15 Hall 14

2015.08.15
2015.08.15 VIP ROOM 01
狭い店内ながら、メインホールの奥には個室があります。
手前の空間とはがらっとイメージを変えて、高級感のある雰囲気にしようとは思いましたが、あまりガチガチ・テカテカのデザインにしてしまうと、バランスが悪くなるので、床材には例の板壁を転用し、光沢のない床仕上とすることで、柔らかい感じを狙いました。
ちなみに、この部屋はとても天井が低いので、ベースは白一色の空間として、アクセントにうすいピンクを入れました。
なにもない白い部屋だけだと、単調になってしまうので、アンティークのテーブルとペンダントライト、ステンドグラスで、引き締めています。

2015.08.15
2015.08.15 VIP ROOM 02

2015.08.15
2015.08.15 TOILET 01
こちらはトイレの手洗いです。
イギリスアンティークの鏡台のようなものをベースに設備屋さんに加工してもらって、水栓器具を取り付けました。
すぐ後ろには便器があり、決して広い空間ではないのですが、ちょっとしたドレスルームとして使えるようにしています。

2015.08.15
2015.08.15 FRONT 03
夜はこんな感じになります。

2015.08.15
2015.08.15 FRONT 04

2015.08.15
2015.08.15 FRONT 05

2015.08.15
2015.08.15 carton
いかがでしたか?
なかなか雰囲気のある良いお店に仕上がったと思います。
ちなみに、このカルトンにも彫り込まれているお店のロゴはLiLiBETの文字からできています。
リリベットとはエリザベス女王の幼少期のニックネームです。そこから王冠のイメージとティーハウスということで紅茶のゴールデンドロップとウォータークラウンとをかけているとのこと。
いやあ、グラフィックデザイナーさん至極の逸品です!

というわけで、オープン初日の今日、お祝いがてら、さっそく食べに行ってきました。
今まで現場だったところが、当たり前ですが、ちゃんとお店になっていて、なんだかとっても嬉しかったです。
この現場を担当したスタッフ君と二人でいったのですが、彼もとっても感慨深げでした。
そして、なにより、料理がおいしい!

是非とも、みなさん、足を運んでみてください。

 

お店の詳細はこちら

 

 

【建築概要】

総合プロデュース:とぬま
グラフィックデザイン:河原井 宏
設計監理 :梁建築設計(担当:松浦)
施工   :アムハウス株式会社(担当:伊澤)

店舗面積 :56.86㎡
用途   :カフェ
主な仕上 :床/(1)コンクリートの上ウレタン塗装(2)杉板張りの上、オイルフィニッシュ
内壁/(1)既存杉板目地埋めの上、オイルフィニッシュ(2)既存ボード壁の上AEP
天井/既存現しの上AEP
什器/古材足場板張りの上、オイルフィニッシュ
建具・照明器具/アンティークドア、アンティーク照明利用
設計協力 :家具製作/キノシタ東京
照明計画/パナソニックESエンジニアリング
古材/WOODPRO
アンティーク家具/GLOBE ANTIQUES 他

気仙沼の海小屋(SWITCH)。完成。

2015.04.30 気仙沼:晴れ。

みなさん、こんにちは。
梁建築設計の小林です。

今回は気仙沼の海小屋の完成報告です。
ちなみに、建物名称は「SWITCH」となりました。

この建物は、NPO法人「森は海の恋人」の事業施設として作られました。
2011年の大震災による被災地において、復興支援のひとつとして位置づけられたプロジェクトでしたので、遠方でしたが頑張りました。
今はまだ箱だけですが、これから先、この空間がどんどん成長していくと思うと、とても楽しみです。

2015.04.29
2015.04.29 外環全景。

2015.04.29
2015.04.29 外環全景2。

2015.04.29
2015.04.29 空と海小屋。

 

 

2015.04.29
2015.04.29 内観1。

2015.04.29
2015.04.29 内観2。

2015.04.29
2015.04.29 内観3。

 

 

2015.04.29
2015.04.29 テラスとハンモック。

2015.04.29
2015.04.29 デッキテラスと木製ドア。

2015.04.29
2015.04.29 杉板と照明。

2015.04.29
2015.04.29 デッキテラスと海。

2015.04.29
2015.04.29 舞根湾。

2015.04.29
2015.04.29 海へと続くデッキ。

2015.04.29
2015.04.29 デッキテラス。

 

 

 

日中の撮影後、山背が吹き、とても幻想的な風景となりました。
最後に、それを一枚。

2015.04.29
2015.04.29 海と海小屋。

 

 

 

 

【建築概要】
構造・規模:木造枠組構造(一部在来工法)・1階建て
建築面積 :76.63㎡
延べ面積 :59.81㎡
建物高さ :5.1m
用途   :事業所・カフェ
主な仕上 :屋根(ガルバリウム波板葺き、一部ポリカーボネイト波板葺き)/外壁(杉板海水塗装)/内壁・天井(杉板無塗装)/床(SPF-4’x6’)/デッキテラス(杉板無塗装)

気仙沼の海小屋。2月の進捗状況。

2015.03.01 気仙沼:曇り時々雨。

みなさん、こんにちは。
梁建築設計の小林です。

今回は2月の工事の状況をお伝えします。
極寒の中、職人さん達に奮闘していただき、工事は順調に進んでいます。

では、前回の骨組み状態からどこまで工事が進んだか見ていきましょう。

まずは2月上旬の現場打ち合わせの様子から。

2015.02.05
2015.02.05 外観。
屋根工事が進んでいます。

2015.02.05
2015.02.05 外観。
反対側から見たところ。足場にシートが架けられているのでよく見えませんね。。。。

2015.02.05
2015.02.05 外観。
建物に近づいてみました。外壁下地の透湿防水シートが施工されています。シートの重なり具合などを入念にチェック。

2015.02.05
2015.02.05 外観。
海側の立面。今回は木製建具を採用しました。ログハウス用の建具なので取り付け方が少々特殊なため、前回の現場打ち合わせで職人さんとアレコレ協議しましたが、しっかり施工されていて一安心。

2015.02.05
2015.02.05 内観。
内部はこんな感じです。断熱材の上に、気密シートが隙間なく重ねられており、断熱工事もばっちりです。

続いて、2月末の現場打ち合わせの様子を見ていきます。

2015.02.28
2015.02.28 屋根。
まずは屋根工事の確認。前回残っていた施工部分のチェックを行いました。屋根工事、無事に完了。

2015.02.28
2015.02.28 外観。
続いて外壁。
こちらはスギの荒板(表面を削っていないもの)をそのまま施工しています。
職人さんもこのようなザラザラの板材を仕上げに使ったことがないので、施工中は半信半疑だったようですが、できあがってみると、
「なかなかいいもんだな」とご満悦の様子でしたw

2015.02.28
2015.02.28 内観。
こちらは内部の様子。
前回の断熱材の状態から、一気に板張りが完了し、ほぼ仕上がっています。
こちらの板も外壁と同じスギの荒板。良い感じで真新しさを消すことができています。

2015.02.28
2015.02.28 電気工事。
最後に電気屋さんとの打ち合わせの様子。
こちらはペンダント照明の製作打ち合わせ。
なにやらホタテの貝殻のようなものが見えますが、、、、

というわけで、2月の工事で、骨組みから一気に形ができあがってきました。
ほんとはもっと内観の全容がわかるのですが、ほぼ仕上がり状態になっていますので、あえて出し惜しみしておきます(笑)

工期も残り1ヶ月強となりました。
次回はもしかすると完成報告になるかもしれません。

気仙沼の海小屋:上棟検査。

2015.01.19 気仙沼:雪のち晴れ。

みなさん、こんにちは。
梁建築設計の小林です。

去年の12月に配筋検査を終えた気仙沼の現場。
年明けから工事が再開し、今回は上棟検査です。

ちなみに、東京から気仙沼の現場まで、ドアドアで約6時間半。長旅です。
というわけで、今回はちょっと趣向を変えて、道中の様子も一緒に。
2015.01.19
2015.01.19 上野駅にて。
いつもの通り、やまびこにてまずは一ノ関に向かいます。
今回の旅の友は、黒い画集(松本清張)。

上野から一ノ関までは約2.5時間。2,3編読み終わった辺りで到着です。
福島に入った辺りから吹雪いていましたが、仙台以北は雪は残るものの穏やかな天気でした。
2015.01.19
2015.01.19 一ノ関駅にて。
ここで約30分の電車待ち。
立ち食い蕎麦を食べつつ、電車を待ちます。

そしてここから大船渡線というローカル列車に揺られること80分。
14時過ぎに気仙沼到着。
(気仙沼駅の写真取り忘れた。。。)

そして、工務店さんの車で、ここからさらに20分ほどで、ようやく現場に到着です。
9時前に出発して14時半到着。
この間、読書も半分ほど読了。

2015.01.19
2015.01.19 外部の様子。
工事は予定通り進み、骨組みがほぼできあがっています。
うん、模型通り。いいですね。

2015.01.19
2015.01.19 内部の様子。
こちらは建物内部。一通り金物チェックを終えた後、工務店さん、大工さん、電気屋さんと打ち合わせ。

日中はそれほどの寒さでもなかったのですが、日が陰り出すと急に寒さが。。。やはり東北です。

さて。
今回の出張は、気仙沼の現場の他に、二つほど予定がありました。
東日本大震災の後、仙台にて被害建物の調査を4ヶ月ほど、その後、石巻にてボランティアや復興支援事業を2年ほどやっていたのですが、その時にお世話になった方々を訪問してきました。

気仙沼の現場打ち合わせを終えてから、再び仙台に戻り、まずは仙台で知人と久しぶりの再会。
夜更けまで楽しいひとときを過ごしました。
また、被害調査当時に利用していたホテルに久しぶりに泊まったのですが、フロントクラークの方が、3年前なのに自分のことを覚えていてくれて、とてもうれしくなりました。

2015.01.20
2015.01.20 仙台。
一夜明けて、20日朝。
今日は、石巻へ。

仙台と石巻を結ぶ仙石線がまだ全線開通していないため、電車でいくととても時間がかかります。
そのため、高速バスで石巻へむかいました。

2015.01.20
2015.01.20 石巻。
1時間半ほどで石巻に到着。
1年半前までは、月の半分は滞在していたので馴染みのある景色ですが、なんだかとても懐かしいです。

そして、ここでも懐かしい方と再会。
この方には、当時とてもお世話になりました。
石巻の現場ブログをご覧の皆様はおわかりかと思いますが、当時はなかなか大変でした。
そんなときに、陰で支えてくれた方なんです。

気仙沼の仕事が決まって、宮城を訪れることはしばしばでしたが、気仙沼と石巻ではなかなか寄り道が難しく、ずっと訪問できなかったので、
こうして、再び会えたことがとてもうれしかったです。

仕事はもちろん、旧友を暖めることができた、うれしい出張となりました。
さて、また明日からがんばろう。

ちなみに、なかなか分厚い文庫本でしたが、ほどよいボリュームの短編集で、今回の旅程で読破。
では、また。

常陸大宮市T邸:土地視察。

2015.01.08 東京 晴れ。

みなさん、こんにちは。
梁建築設計の小林です。

気仙沼ブログ2つに加えて、もうひとつありました、新規案件。
というわけで、これでようやく年末分が片付きますw

では、さっそく本題へ。

去る2014年12月30日は、地元の同級生達4人で忘年会でした。
その一人のTくんが、今回のお施主さん、わたくしの幼なじみでございます。

忘年会前に、一緒に敷地を見に行くことにしました。

2014.12.30 敷地全景

こんな場所ですよ。うーん、いいですねぇ。しびれます。
ちなみに、使ってよい敷地は写真に写っている草むら(って言っては失礼かw)部分全体ですが、写真右半分は地目が畑ですので、写真左半分の赤色のところに計画します。

都市計画区域外なので、接道義務(敷地が道路に接していなければならない)はありませんので、このような飛び地でもOKなわけです。

都心や市街地での計画の場合、いかに法規制で間取りや空間を縛られることなく計画するかという部分に重きが置かれることが多いのですが、このような田舎の広々とした大地では、そんな心配はほぼ皆無です。

ですが、その反面、四方八方から建物が見えるため、都心の密集住宅地のように、「裏」という概念があまりありません。
さらに、日当たりが抜群な分、吹きさらしの環境なため、その辺りも注意が必要です。

「都心では法規との塩梅を見て、田舎では自然との塩梅を見る。」

さてさて、どんな計画が生まれてくることやら。
わくわく。

気仙沼の海小屋:配筋検査と模型。

2015.01.08 東京:晴れ。

みなさん、こんにちは。
梁建築設計の小林です。年末の気仙沼ブログを続けて投稿してます。あしからず・・・。

では早速、現場監理の様子をお伝えします。
前回の着工から2週間後、配筋検査のために現場に赴きました。
気仙沼は日を追うごとに寒くなりますね。先々週来たときよりも格段に寒くなっています。
1月2月の現場が、、、、楽しみです!w

まずは全景。当日明け方に積雪の予報だったため、前日養生をしておいてくれたので、その養生を外してもらいます。
さすが東北の施工屋さん、抜かりありません。
2014.12.15 配筋検査。
2014.12.15 全景。

養生が剥がれたところで、検査をしていきます。
2014.12.15 配筋検査。
2014.12.15 配筋検査。

2014.12.15 配筋検査。
2014.12.15 配筋検査。

一カ所一カ所丁寧に施工状況を確認しました。
といっても、小さなシンプルな作りなため、あっけなく終了。
わずかな是正事項はありましたが、大きな問題はなし、順調です。

さてさて。
今回は配筋検査が主な目的でしたが、もう一つ、大事な目的がありました。
それがこちら。

2014.12.15 模型。
2014.12.15 模型。
2014.12.15 模型。
2014.12.15 模型。
2014.12.15 模型。
2014.12.15 完成イメージ模型。

この模型を事業主および施工者に見せて、完成イメージを共有するために、
休日返上で、オープンデスクのMくんと一緒にせっせと作りました。
小さい建物とはいえ、1/30スケールですので、なかなかのボリュームです。

模型からもわかるように、建物はすごーくシンプルです。
コンセプトは、
「かっこいい掘っ立て小屋」

できあがった瞬間から、その場所に馴染んでしまって、目を引かないような建物を目指しています!

では、また。

気仙沼の海小屋:着工。そして2x4との遭遇。

2015.01.08 東京:晴れ。

みなさん、こんにちは。
梁建築設計の小林です。

新年のご挨拶でもお伝えしましたが、今年からデザインスペック改め梁建築設計となりました。
ブログは引き続き継続するのですが、タイトルにver.2をつけてみました。

というわけで、本年最初の現場ブログは、一昨年の11月に設計依頼を受けて、約1年間の設計期間を経て、昨年12月に着工した気仙沼カフェからお伝えします。

では、早速いきましょう。
今回は12月1日、2日の現場監理の様子をお伝えします。

まず、こちらが敷地になります。非常に、コンパクトな敷地です。
ひとことでいうと「せまい(笑)」
2014.12.02 着工。
2014.12.02 着工。

しかも、こんな感じで、すぐ側が海。ロケーションは最高です。
場所は気仙沼市唐桑町の東舞根というところになります。
ここに木造平屋のちっちゃな海小屋を作ります。

ちなみに、
上野駅から一ノ関駅まで新幹線で2時間半、そこから大船渡線というローカル線で一ノ関駅から気仙沼駅まで1時間半、さらに気仙沼駅から車で約30分。
乗り継ぎ時間も合わせると、合計で片道5時間ぐらいです。
長いと言えば長いのですが、一昨年の石巻の経験があるからか、電車での移動はむしろ快適だったりします。
思う存分読書ができるのでw

地盤レベルの確認をしています。
2014.12.02 着工。
2014.12.02 着工。

津波で護岸も破壊されており、敷地も嵩上げしている場所なので、登記されている敷地情報と現況にズレがありますので、現況測量を優先して基準となる地盤面の高さや建物の配置基準点を設定しました。
これで、いよいよ着工となります。
施工期間はおよそ4ヶ月強。
竣工は4月の予定です。

ということは、厳寒期の1月2月の現場監理・・・・がんばります!

さて。
現場打ち合わせのあと、津田産業さんの東北支社(本社は大阪)の視察に伺いました。
というのも、今回の建物は木造は木造でも2x4工法という在来工法とは違った工法にて施工されます。
私自身、2x4工法の採用は初めてとなるので、勉強も兼ねての視察というわけです。

2014.12.02 着工。
2014.12.02 こちらが施工業者の津田産業さんの東北支社になります。

2014.12.02 着工。
2014.12.02 
工場の内部。在来工法ではプレカット工場(もしくは手刻み)で柱や梁を加工したものを現場で組み上げていきますが、2x4工法では、このような工場であらかじめ壁パネルを作成し、現地に運んで設置するという作り方が基本となります。

実際に他の現場用のパネルなども視察させていただき、だいぶ施工工程のイメージができました。

さて、組み上がるのが楽しみです。
(と、その前に、基礎工事がありますがw)

新年のご挨拶とお知らせ、と。

皆様、あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願い申し上げます。

早速ですがお知らせです。
去る2014年11月に、設計仲間の白井(アトリエ・アーキクラフト代表)と共に、「株式会社 梁(りょう) 建築設計」 を設立しました。
10年間個人事業として一級建築士事務所デザインスペックを運営して参りましたが、これに伴い、2015年1月より、建築業務は梁建築設計の方に移行します。

2015.01.01

というわけで、
改めまして、梁建築設計の小林です。

思えば、この10年、いろいろなことがありました。
初めて手がけた、実家のガレージでは、大工の見習いをしながら、半分自分で施工もしました。
毎年、雨漏りに悩まされる刺激的な処女作となっていますが、10年の時を経て、いい感じでカスタムされております。

その後、一時的に三浦愼建築設計室の管理建築士をしていた時には、軽井沢でとてもユニークな別荘を手がけました。
構造的にも空間的にも評価を受けて、当時の建築雑誌で表紙を飾ることもできました。
しかし、まだまだ若輩者だった私にとっては、なかなか大変な現場でした。
工事が始まると、現場近くのホテルに常駐し、日夜建築の勉強と現場の予習復習の毎日。
軽井沢にいながら、一切観光らしいことはできませんでした(仕事だから当たり前ですがw)
そして、当時の施工会社の現場監督に色々叱咤激励を受けながら、建築の知識や経験はもちろん、人間的にも色々と成長させていただきました。

また、その当時の事務所スタッフ3人(小林・白井・平山)と共同で、社内ベンチャー的に春日部の住宅を手がけました。これが住宅の処女作になります。
こちらはDOMAという作品で、やはり雑誌やテレビなどでも取り上げていただき、東京ガス賞というものも頂きました。
これを機にアーキテクト*マシーンという設計共同体をつくり、その後もYANEKABEと住宅をいくつか手がけました。

ちなみに、アーキテクト*マシーンとして活動しながら、小林はデザインスペックとして、白井はアトリエ・アーキクラフトとして、平山はアトリエhHとして、それぞれ活動を続けていました。

店舗設計では、日立市のサーフショップが処女作となりました。こちらの施工を手がけていただいたウッドベル・ワンの鈴木さんには、今でも懇意にしていただいており、茨城の現場はほとんど、彼に手がけてもらっています。
サーフショップも色々と困難の多い現場でしたが、無事に完成した時は、本当にうれしかったのを今でも覚えています。
鈴木さんに何かお礼をしたくて、彼が好きだというヴィンテージ・マッカランを贈答したのも、なんだかよい思い出です。
(高かったなぁw)

足立区の有名ラーメン店「田中商店」も手がけさせていただきました。こちらがリノベーションの処女作になります。
男気あふれる店長の田中さんにビクビクしながら(笑)も、無事に完成し、今でも変わらず行列のできるお店の前を通ると、当時を思い出し、うれしくなります。

同じく店舗でリノベーションの2作目は、ひたちなか市のエステ店RUANAでした。
こちらももう7,8年経ちますが、オーナーさんからは毎年年賀状を頂き、その後の様子もうかがえてうれしい限りです。

また、大学の先輩との共同設計で足立区に共同住宅も手がけました。
こちらは事務所(当時は自宅兼事務所でした)からほんとに近くで自転車で現場まで通っていました。

そのほかにも、茨城埼玉を中心に住宅をいくつか手がけていました。

そんな折の2011年3月11日。
東日本大震災がありました。

実家も被災したため、確認のために10時間かけて行きました。
そして実家の修繕をしたのち、再び東京に戻ったところで、大きな転機がありました。

仙台への出張です。
ここから、デザインスペックと宮城とのつながりが始まりました。

3月から8月まで仙台で被災家屋の調査に携わり、その後、石巻にボランティアに行きました。

ボランティアで泥かきをしているうちに、ひょんなことから自分が建築士であることを伝えると、いろいろな方から家をどうにかしたいという要望が出てきて、修繕のお手伝いや支援金の申請のお手伝い、建物の無料相談などをするようになりました。
そして、石巻にも事務所を構えることになりました。

住宅の修繕をいくつか手がけましたが、その中で、上海楼飯店という中華料理店の修繕を依頼され、引き受けました。
こちらは、石巻にボランティアにいってすぐに泥かきしたお宅でした。
ちょうど、震災があって1年後の頃、14:46の追悼サイレンがなる中での現場監理だったのを覚えています。

完成後、初めて店主がごちそうしてくれた中国ラーメンの味は今でも忘れません。

また、この頃から、住宅の仕事がどんどんと舞い込んできて、地元の同級生の家(こちらも震災で被災したための建て替えでした)を手がけたり、ボランティアで産廃となる木材を東京からはるばる石巻まで運んできてくれた方と知り合いになり、葛飾区に家を建てたいということでその設計依頼を受けたり、ウッドベル・ワンの鈴木さんのつながりで水戸の家の設計依頼を受けたりしました。白井との共同設計で世田谷でも住宅を手がけました。そしてさらに、石巻でも新築の依頼もありました。

そんな感じで2012年、2013年は石巻と東京を行ったり来たりの生活でした、ほぼ車での移動でしたので、いったい何万キロ走ったのか、今では気が遠くなりますが、遮二無二がんばってやっていました。

しかし、いろいろなハプニングはあるものです。
石巻の現場でちょうど建て方が終わった頃、施工会社が倒産してしまいました。
時に2013年3月11日、震災があって2年後でした。
今でもそうですが、当時は工事業者が引く手あまたの状況でして、とても倒産後の後工事を引き受けてくれる業者などいませんでした。
そこで、無謀かもしれませんが、自分が工務店の代わりも引き受けることにしました。
文章に書くと一瞬ですが、ここは本当に、大変でした。
当時の状況は、是非石巻W邸のブログを見ていただきたいと思います。がんばりました、わたくしw

2013年の夏、無事に石巻の新築を完成させることができました。
色々痛手もありましたが、たくさんの方に支えていただき、やり遂げることができました。

この新築を機に、石巻からは一旦離れることになり、ちょうどその頃工事が始まった葛飾の現場監理を行いながら、水戸の家の設計を進めつつ、新たに相談のあった草加の家の設計相談と、関東の仕事に没頭する毎日が続きました。

そして2013年11月、白井のお誘いを受けて、上野の事務所をシェアすることになりました。

宮城から離れて半年、新しい環境で仕事に没頭するようになったのもつかの間、やはり何かの縁なのでしょうか、再び宮城でお仕事をすることになります。
しかも今度は気仙沼。石巻よりさらに北です。ほぼ岩手です。
これはさすがに車では厳しく(石巻も相当大変でしたがw)、今のところ新幹線と在来線で行き来しています。

こちらもいろいろなハプニング続きで、なかなか進展しなかったのですが、昨年末、ようやく現場がスタートしたところです。

そして、そんなタイミングの2014年11月。草加の家の引き渡しと同じ頃、白井と兼ねてから相談していた、法人化が実現することになりました。
そんなわけで、デザインスペックとしての最後の設計が草加の家でした。

こうして振り返ってみると、すべてのプロジェクトに何かしらのハプニングがあったなあとしみじみ思います。
(本文では割愛している部分も多いですが、ほんとに色々ありました)
でもハプニングというのは、決して悪いことばかりではないと思います。
逆にスムーズに事が進む方が、怖いことかもしれません。

自分の仕事の仕方は、あまり器用な方ではないと思います。だから、ハプニングがあれば、それとがっぷり四つに組んでしまいます。
決して楽な仕事の仕方ではないですが、それが責任というものだと思います。

建築はその人の人生を大きく左右する存在だと思います。
その責任をひしひしと感じながら仕事できることを、とてもうれしく思います。

というわけで、ながながと回顧録を失礼しましたw
今後とも、よろしくお願いします。

あ、ブログの方は、梁建築設計に変わっても、しばらくはこの「ひねもす・らいふ」を利用しようと思っていますので、引き続きよろしくお願いします。

株式会社 梁 建築設計
代表取締役 小林 良

草加市Y邸:竣工。

2014.11.29 草加:晴れ。

みなさん、こんにちは。
デザインスペックの小林です。

約5ヶ月の工期を終えて、無事に完成し、本日無事に引き渡しを終えました。
造作工事がほとんどなかったため、通常の工期よりも1ヶ月ぐらい早いですね。

前回のブログ(10月分の工事)以後は、主に内装工事と設備工事が進みました。
その途中過程と竣工した状態とで、ほとんど差がないので、今回は内装工事部分のレポートは省略して、一気に竣工した草加の家の様子をお伝えします。

まずは、こんな写真から。

2014.11.21 ymn竣工。
2014.11.21 空撮全景。
今回はプロの建築写真家である田岡信樹氏に写真撮影を依頼しました。(以下、掲載写真はすべて田岡信樹氏によるものです。無断転載は禁止します)
田岡さんのご厚意でサービスで撮って頂いた写真がこれです。
当たり前ですが、自分でもこの角度から完成した建物は見たことがないので、なかなか新鮮でしたw

2014.11.21 ymn竣工。
2014.11.21 外観。
続いて、北西側の外観です。
写真正面左側のレッドシダーの板戸部分が1階作業場への入り口です。
2階の住居部分へは、右側の塔状になっている部分に玄関があり、そこから入ります。

2014.11.21 ymn竣工。
2014.11.21 外観。
北側正面の様子。9mx9mx9mの立方体のプロポーションなので、ボリュームは大きいですが、ちょっとかわいらしい感じもします。

2014.11.21 ymn竣工。
2014.11.21 外観。
西側正面の様子。ここが住居分の玄関。内部は階段室になっています。

では、最初に1階の作業場部分から見ていきます。

2014.11.21 ymn竣工。
2014.11.21 作業場内観。
幅5.4m、高さ3.4mの入り口扉を開けると、なかには、9m四方の巨大な作業場空間が広がります。天井高さは3.8m。
このボリュームは、主に作業場に入れる機械や材料からお施主さんと相談して決まりました。
構造は純粋な在来工法で、特殊なことはなにもしていませんが、耐力壁を効率的に入れることで、このような大空間をつくることができます。

2014.11.21 ymn竣工。
2014.11.21 作業場内観。
振り返って作業場の西側には事務スペースがあります。この部分はちょうど住居スペースに続く先ほどの塔状のボリュームの一部を利用しています。
ちなみに仕上げは、床こそ作業場の耐性を考慮して土間コンクリートの上に防塵塗装を施していますが、壁はラワンベニヤを貼っただけ、天井も2階の床下地となる構造用合板や梁が剥き出しの素地状態です。
これからここに機械が入り、材料が入り、お施主さんが自ら作業場として作り上げていくために、最小限の手入れに留めています。

2014.11.21 ymn竣工。
2014.11.21 作業場内観。
次に、入り口扉を見てみます。スチールのフレームにレッドシダーの面材を貼り付けたシンプルなものを、ハンガーレールで吊っています。
写真は開けた状態。機械の搬入のための必要開口寸法の確保しています。

2014.11.21 ymn竣工。
2014.11.21 作業場内観。
扉を閉めるとこんな感じ。
実は扉の軽量化のため、内側は面材を貼らなかったのですが、その結果、ラワン壁の素地との対比で、グリッド状のスチールフレームと面材の縦目地が、ほどよいアクセントになりました。
設計も施工もデザインしようとして現れた立面ではなかったのですが、さながら民芸で言うところの「用の美」が体現されたみたいで、みな一様に満足していました。

続いて、住居スペースに行ってみましょう。

2014.11.21 ymn竣工。
2014.11.21 住居内観。
西側外観にあった玄関引き戸を開けて中に入ったところです。
このような感じで、螺旋状の階段になっています。左側が玄関土間で、写真手前の階段を上っていった右側が玄関ホールになります。
通常の上がり框による玄関とはちょっと違うのですが、土間とホールをこのように分離させることで、それぞれのスペースを立体的に広く確保することができます。

2014.11.21 ymn竣工。
2014.11.21 住居内観。
2階住居スペースに上がってきました。
写真は階段室側を見たところです。
写真を見ると、まだ上にも階段が続いていますが、それについては後ほど。

2014.11.21 ymn竣工。
2014.11.21 住居内観。
階段側を見たまま後ろにずずずっと下がって、2階の全景です。
天井高さ4mで、部分的に壁が立っており天井を支えています。その中間に剥き出しの構造梁があるだけで、あとは何もありません。
ここがリビング、ダイニング、寝室、子供部屋になります。
思いっきり、「作りかけ」な感じですが、これで完成です。

詳しく説明する前に、まずは、いろんな角度からこの空間を見てみましょう。

2014.11.21 ymn竣工。
2014.11.21 住居内観。
階段側から見たところ。

2014.11.21 ymn竣工。
2014.11.21 住居内観。
北側から見たところ。正面にあるのがキッチンおよび水回りスペースです。

2014.11.21 ymn竣工。
2014.11.21 住居内観。
独立した壁の間から見たところ。
写真のように、中間の梁があるところに部分的に床がありますが、こちらも下地が剥き出しの状態です。

2014.11.21 ymn竣工。
2014.11.21 住居内観。
上の写真の反対側から見たところ。

2014.11.21 ymn竣工。
2014.11.21 住居内観。
ちょっと立ち位置をずらすと、このように雰囲気がまた違って見えます。

2014.11.21 ymn竣工。
2014.11.21 住居内感。
南東の角からの全景。

こんな感じです。
写真からもわかるように、どこも部屋として区切られてはいませんので、このままでは、どこでどうやって生活していいかわからないかもしれません。
ですが、よく見てみると、いろいろな「きっかけ」があります。
たとえば、中間の梁には溝が掘ってあり、その直下の床には敷居があります。
ここには、建具が入れられます。
また、写真ではわかりづらいですが、中間の梁の上部には床板を乗せられるような欠き込みがあります。
途中で、部分的に床が貼ってある梁がありましたね。あんな感じで、他の部分にも床が作れます。
そして、独立壁ごとにスイッチがあり、照明器具を取り付けられるソケットが設置されています。

これらのきっかけを元に、これから住み手が自らスペースを作っていくのです。
つまり、最初から「作りかけ」を目指して計画されているのです。

そもそも、どうしてこのようなプランになったかを少しだけ話します。
お施主さんと出会って、どんな建物にしていくか色々と話をしていきましたが、外観や作業場(ご主人は家具職人)に対するイメージはあるものの、内部の居住空間については、お施主さん自身も明確な希望というものがありませんでした。
お子さんは3人、奥様もキッチンや水回りに対する多少の要望はあったものの、居室スペースに対して、設計のきっかけとなるような要望はありませんでした。

正直、最初は困りました。さて、どうしよう?と。
だって、おまかせされたからと言って、こちらがやりたい空間を説得的にプレゼンして提供するのはナンセンスでしょう?
作業場と住居スペースもしっかり区切って欲しいというし、それぞれがなんとなく繋がるとかいう条件もない。

そこで、思い切ってその要望がないという部分を設計のきっかけにすることにしたのです。
唯一の手がかりは作業場。
ですが、それが最大のポイントになりました。

というわけで、この建物のコンセプトは「カスタム」にしました。
1階の作業場でご主人自ら必要なものをつくって、2階の住居スペースを仕上げていく。
そのために、最初から「作りかけ」をつくったのです。

と、説明はこれくらいにして、残りの部分も見ていきます。
居室部分が作りかけな反面、水回りは最初に必要な部分なので、こちらはちゃんと「作り終わって」いますw

2014.11.21 ymn竣工。
2014.11.21 住居内観。
再び階段室部分です。写真左手にある扉部分がトイレになります。
ちなみに、トイレの建具もご主人がつくりました。
こちらはさすがに完成時にはないと困るので、工事期間中に製作してもらいましたけどw

2014.11.21 ymn竣工。
2014.11.21 トイレ。
トイレ内観です。正面奥には、あとでご主人が収納家具を取り付けられるように、段を設けています。

2014.11.21 ymn竣工。
2014.11.21 住居内観。
トイレと同じ並びには、キッチンをまたいで洗面室があります。
ここの建具もご主人作。ドアノブもご自身で選んできました。

2014.11.21 ymn竣工。
2014.11.21 洗面室。
洗面室内観です。化粧台もご主人がつくったものです。

2014.11.21 ymn竣工。
2014.11.21 キッチン。
こちらはキッチンスペース。キッチンもご主人お手製、、、と言いたいところですが、こちらは家族会議の結果MUJIのキッチンになりましたw
ちなみに、先ほどの化粧台は、こちらの面材に合わせてオークでつくられています。

これで2階部分は以上です。
続いて、先ほど階段が伸びていた、「この上の空間」を見てみましょう。

2014.11.21 ymn竣工。
2014.11.21 3階内観とバルコニー。
キャプションで3階とうたっていますが、ここは厳密には「階」ではありません。法規上は塔屋と言って、ルーフバルコニーに出るための階段室にすぎません。
それ以外は吹き抜け空間です。

2014.11.21 ymn竣工。
2014.11.21 3階内観。
こんな感じで、2階部分を見下ろせますが床はありません。

2014.11.21 ymn竣工。
2014.11.21 バルコニー。
こちらがバルコニーになります。吹き抜けレベルにバルコニーがあるため、日当たりは抜群です。また、隣家の屋根レベルにあるため、視線も気になりません。
さらに、パーゴラ状に梁がかかっており、ここに洗濯物を干すための金物を取り付けたり、また、オーニングを取り付けたりすることで、2階居室への採光をコントロールすることができます。

2014.11.21 ymn竣工。
2014.11.21 3階内観。
バルコニーを進んで、吹き抜け部分を反対側から見てみます。

2014.11.21 ymn竣工。
2014.11.21 3階内観。
梁の上を慎重に歩いて、別アングルから撮影。

2014.11.21 ymn竣工。
2014.11.21 3階内観。
さらに別アングルから、もう一枚。

この吹き抜け部分は、この住居スペースにとって、最大の余剰空間です。
梁間に板を貼れば、ロフト状の床となりますが、高窓からの採光はなくなります。ですが、個室的なスペースはつくれます。
部分的に板を貼れば、採光とロフトとを両立することもできます。
グレーチングのような床を貼れば、さらに最大限利用できるかもしれません。

その判断も、ここの住まい手に委ねました。

設計者としては、結構な冒険だとは思いましたが、家というひとつの家族が住む空間にとっては、極めて自然なことのようにも思えます。
なぜなら、この家はこの家族のために建てられてはいるものの、まだここでその家族は生活をしていないのですから。
ここでの生活は、空間だけでなく住まい手にとってもここがスタートなのです。つまり0なのです。
だから、何がよくて何が悪いかの「ものさし」はここからできあがっていくのです。

引き渡しの説明をしている最中も、ご主人はすでに、色々思案を巡らせていました。「ここに手すりをつけたらどうか?ここまで板を貼ったらどうか?手すりの代わりに収納で腰壁をつくってみようか?」などなど。

そして、引き渡しを終えて、建物を見上げながら、ご主人が一言。
「いやあ、最高ですね」

この草加の家の住まい手になるYさん家族が、どのような「ものさし」で家をつくっていくかが、とても楽しみです。

草加市Y邸:10月の工事。

2014.10.27 草加:曇り。

みなさん、こんにちは。
デザインスペックの小林です。

前回の上棟検査ののち、工事は順調に進んでいます。
来月末には完成、引き渡しとなるので、なんだかあっという間な感じもしますね。

では、10月分の現場の様子をお伝えします。

まずは16日の現場打ち合わせの様子から。

2014.10.16 ymn現場打ち合わせ。
2014.10.16 外観。
外壁下地の防水紙の上に桟木が施工され、いよいよ外壁工事が始まりました。

2014.10.16 ymn現場打ち合わせ。
2014.10.16 外観。
今回はスパンドレル状の金属サイディングになります。葛飾の家(TSN)と似たような感じです。
外壁屋さんと綿密に打ち合わせをして、下地の金物などの施工方法を決めたので、それらのチェック。

2014.10.16 ymn現場打ち合わせ。
2014.10.16 外観。
サッシ周りの防水紙の取り合いなども合わせてチェックしていきます。
写真のような、一般的な納まりと変えている部分は特に入念に確認します。

2014.10.16 ymn現場打ち合わせ。
2014.10.16 配管設備。
外観チェックのあとは、内部のチェックに入ります。
まずはキッチンレンジフードのダクト部分の確認。
防火の関係から、ダクト周りにグラスウールを巻くのですが、軸組同様に壁の中に隠れてしまうので、施工中にきちんと確認します。

2014.10.16 ymn現場打ち合わせ。
2014.10.16 内観。
ちなみにここがキッチン、洗面スペースになります。正面奥がお風呂です。

2014.10.16 ymn現場打ち合わせ。
2014.10.16 内観。
こちらが居室スペース。吹き抜け工事のためにずっと設置されていた仮足場が外れたのですっきりしました。
天井はすでにクロス工事が入っています。
一般的にはクロス屋さんは工事の最後に入るのですが、今回は上から順に施工しながら降りてくる手法で現場は進んでいます。
今回のこの工程は現場監督の采配。
仕上げ部分なので、他の職人さんも傷つけないように細心の注意が必要ですが、工程としては効率的ですので、アリだなと思いました。

2014.10.16 ymn現場打ち合わせ。
2014.10.16 内観。
吹き抜け部分に上ってきました。
前回のブログと比べてもらうと、違いがよくわかると思います。

2014.10.16 ymn現場打ち合わせ。
2014.10.16 バルコニー。
吹き抜けと同じ高さにあるバルコニーに出てみました。
こちらも外壁の下地が完了しているので、まもなく外壁工事に突入です。
高さとしては3階レベルに相当するこのバルコニー。
スカイツリーは残念ながら見えませんが、周囲の建物よりも視線が一段高いので、なかなか気持ちいい空間になりそうです。

つづいて、27日の打ち合わせの様子をみてみましょう。

2014.10.27 ymn現場打ち合わせ。
2014.10.27 外観。
外壁工事はほぼ完了。やっぱり9.2mはでかい。

2014.10.27 ymn現場打ち合わせ。
2014.10.27 外観。
近くでみるとこんな感じです。
金属サイディングのような工業製品を一般的な納まりでつくってしまうと、少々野暮ったくなるのですが、今回は少しばかり細工しているので、なかなかすっきりしています。
足場が外れるのが楽しみです。

2014.10.27 ymn現場打ち合わせ。
2014.10.27 作業場内観。
作業場内観は、仕上げ工事(といってもラワンベニヤの板張りですが)がほぼ完了しています。

今回の建物のコンセプトは「カスタム」。
おかしな話かもしれませんが、完成時にはまだ完成していません。
この作業場でいろいろ家具や建具を作り、2階の住居部分をどんどんカスタムしていくわけです。
そんなわけで、当然ながらこの作業場も最初は何もない空間からのスタートになります。

使いながら空間を育てていく。いいですね。

2014.10.27 ymn現場打ち合わせ。
2014.10.27 2階内観。

続いて2階の住居スペースをみてみましょう。
こちらはキッチン、洗面スペース。
先週からさらに工事は進んで、より空間の輪郭がはっきりしてきました。

2014.10.27 ymn現場打ち合わせ。
2014.10.27 2階内観。

居住スペースの様子。
フロアレベルの壁はサンダーストップというシナベニヤ仕上げ。
吹き抜けレベルの壁はクロス仕上げになります。

2014.10.27 ymn現場打ち合わせ。
2014.10.27 2階内観。

こちらがサンダーストップの壁になります。
この材料は、建て主さんの要望で採用しました。普段、家具を作る際に利用する材料とのことで、私は今回初めて使いましたが、建築建材のシナベニヤとはちょっと違って、なかなか面白い表情をしています。

2014.10.27 ymn現場打ち合わせ。
2014.10.27 2階内観。

吹き抜けの様子。
フロアレベルと同じ位置に耐力壁があり、吹き抜けまで伸びています。
まだクロス工事前なのでイメージがわかないと思いますが、フロアレベルとの対比で面白い空間になりますよ。

2014.10.27 ymn現場打ち合わせ。
2014.10.27 バルコニー。

最後にバルコニーの様子です。
外壁は、吹き抜け内部のクロス壁と合わせて、外周部の黒い金属サイディングと切り替えて白の窯業サイディングにしています。
詳しくは完成時のブログで書きますが、このバルコニーにあるパーゴラ状の梁も「カスタムの種」になっています。

だいぶ形になってきましたね。
ではまた次回。